母親が顔を出しにやってきた。 前夜から同居人と何とか部屋を片付けた。
ちゃんと靴下をはいておこうと思ってたのに、忘れちゃってて、左足の傷を見られてしまった・・・ 「あんた、その足どうしたの?」
親にはバイクの事故のことを知らせていない。 過剰な心配をされるのが嫌で、姉貴には口止めしておいたのに、密告されたようだ。 前回来た時には、包帯を見られて、 「あんた、これ何?」
前回の時も今回も、お茶を濁していたら、それ以上の事は聞かれなかった。 知っているのに知らん顔。 親の心子知らず、子の心親知らずという言葉があるけど、親心は少しは解る故、一層有り難味を感じた。
風呂に入ってじっくり見れば見るほど、左足が汚い。 スネの辺りが変色しちゃっている。 あちこちにクレーターが出来てて、まるで月面のようだよ。
しかし・・・やっぱり父親は来なかった。 頑固者の父は、同居人と暮らす俺の姿を、現実を、認めたくないのだろう。 父親は、昨年の夏チビたちが遊びに来た時に、沙耶が泣きながら「パパと一緒に暮らしたい」と言った台詞が身を切られるように切なかったと言った。
でもね、親父。 俺の方がずっとずっと痛いんだよ。 思い出しただけで、涙が出ちゃうんだよ。 だから、思い出さないようにしてるんだよ。
こうゆう事書くと同居人が悲しむじゃないか・・・ スマン。 |
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