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声無き悲鳴 2007年07月16日(月)

昨日、実家に顔を出してきた。
一昨日から眠れない状態が続いていて、2日間で2時間しか寝ていなかったので、あまり長居をするつもりはなかったのだが・・・

本当にたまたまなんだけど、姉と姉の子供達二人も実家に来て居た。

以前から、姉の長男の言動がおかしいという話は耳にしていた。
 ・集団行動を取る事が出来ない
 ・すぐに級友に手をあげる
 ・授業中、解らない事があると、席を立ち歩き回る
 ・親の言う事を聞かず、叱られるとヒステリーを起こす
 ・妹に八つ当たりで頻繁に手をあげる
 ・最近は不登校も多く、週に2,3回しか登校していない
 ・家に居る時も引きこもってゲームを一日中続けている
などなど。

で、事の起こりは、大した理由も無く、妹を何度もひっぱたく光景にいい加減腹を据えかねた自分が、制裁の一撃を与えた事から始まった。

太郎ちゃん(甥の愛称)は、気に入らないといった顔つきで、俺を睨みすえる。
だけど俺も決して目をそらさず見つめ続けた。
睨み合いが続き、根負けした太郎ちゃんはヒステリー&自閉症モードに突入。
ソファーに横たわり、座布団で顔を押さえつけ、暴言を吐き散らす。

でも俺は、その暴言の数々の中に秘められた、理路整然としない不平不満の中に、太郎ちゃんの心の闇がある事を見逃さなかった。

姉は今まで、こういうシチュエーションに陥った時、恐らくさじを投げて叱り飛ばすだけだったのだろう。
でも、俺は我慢強く食い下がった。

太郎ちゃんの言葉には「結果」しかなく、「過程」の説明が存在しない。

何故妹を叩いたのか?何故学校に行かないのか?そういう理由に至るまでの過程を妹や親にちゃんと話す事の重要さを根気良く説いた。

太郎ちゃんは、「過程の理由」を『何度も』伝えるのが嫌いな性格なのだろう。
似ている・・・俺に。
似すぎている。だからこそ彼の心理が解った。
そして、まさかとは思ったが・・・ 確信した。
「気絶してみたい」という一言で。
太郎ちゃんは精神を病んでいる。
彼は、俺と同じ欝(うつ)病だろう。


若い頃、自分はやりきれない思いが高まった時、ナイフで手に傷を付けていた。
今もその傷跡はたくさん残っている。
勿論、当時はうつ病なんて他人事だと思っていたし、「自傷」という専門用語が有る事など知る由も無かった。
自分が精神病の要素を持っていたと知ったのは、つい最近の事だ。


太郎ちゃんは徐々に、自分の気持ちと行動が一致しない事を俺に説明しだした。
なんでそうなってしまうのか、自分でも良く解らないと言う。
俺は、自分の病気の事を話し、今の太郎ちゃんと全く同じ状態である事を説明し、太郎ちゃんも病気なんだよと告げた。

太郎ちゃんは俺の下のチビの沙耶と同い年の小学3年生だ。
気持ちと行動が一致しない事が、自律神経や脳内物質のバランスの不調である事を伝えるのは、とても難しい。
でも、なんとか解り易い言葉を選んで、彼が感じている心と行動の不一致の理由を説明してあげた。

まだ3年生。
自分の思考を言葉にするには、明らかにボキャブラリーが不足しているだろうし、経験不足だし、知識も少ない。
表現も困難だろう。
まさに今日の日記の題名である「声無き悲鳴」だ。

実の親にでさえ上手に伝えられず、理解されない思い。
そのストレスがヒステリーや暴力となり、余計に叱られる悪循環。
苦しかったんだろうな。

彼は、昨日、ようやく理解者にめぐり合えたのだと思う。

俺の言葉が、どれだけ彼を救ってあげられたか解らないけど、俺が太郎ちゃんの代弁者となって母親である姉に、彼が病気だと言う事を説明してあげると言ったら、嘘のように落ち着きを取り戻した。

姉に率直に太郎ちゃんが欝(というか精神病)で有る事を伝えると、やはり思うところはあったようだった。
既に今月末、精神科の病院に予約を入れてあると聞いて安心した。

なるべく穏やかに接してあげる様に、そして、無闇に叱らない事を念押しした。

「おじちゃんは、どんな事があっても太郎ちゃんの味方だよ。」
「ママにもパパにも言えない事があったら、秘密は絶対に守るからおじちゃんにいつでも電話しておいで。」
太郎ちゃんにそう伝えると、驚くほど素直に「うん、電話するね」と言った。

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以前の日記にも書いたが、太郎ちゃんの妹であるヒカルちゃんは、生まれつき一生片耳が聞こえない。
心臓にも穴が開いていて、静脈の血液が動脈に流れてしまうため、すぐに「疲れた」と言うらしい。

カミサマ、もしいるんなら、姉の家族を守ってください。

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